男装獣師と妖獣ノエル 2~このたび第三騎士団の専属獣師になりました~
それを見てセドリックが言葉を失う様子に気付き、ユリシスが疑問を覚えたように眉を顰めた。テトが幼さの残る顔を、コテリと傾げる。
「うーん、ヴァン先輩の言い分も、あながち間違いじゃないと思うんだよなぁ」
『呑気そうだけど、お前案外見てんだな。俺もそう思う』
声が聞こえないと分かっているノエルが、そう相槌を打った。
サーバルは、ほぼ同年代の相棒に立ち向かう小さな獣師を、悩ましげに見つめた。ついポツリと「それ過剰防衛というか、もはや一種の嵐みたいなものじゃ……」と自身から見たラビという少女について呟いてしまう。
のらりくらりと主張をかわされたラビは、遅れて子供扱いされているのではと遅れて気付き、ますます苛々した。屈強なヴァンの足を思い切り踏みつけてやると、彼が「いてっ」と声を上げて手を離したので、その隙に距離を取った。
「オレは子供じゃないし騒ぎも起こさない!」
ラビは指を突きつけてそう断言すると、ノエルに「行こう!」と声をかけて走り出した。後ろからセドリックが呼び止める声が聞こえたが、構うものかと無視して、よそよそしくて心地悪い群衆の中をぐんぐん進んだ。
「うーん、ヴァン先輩の言い分も、あながち間違いじゃないと思うんだよなぁ」
『呑気そうだけど、お前案外見てんだな。俺もそう思う』
声が聞こえないと分かっているノエルが、そう相槌を打った。
サーバルは、ほぼ同年代の相棒に立ち向かう小さな獣師を、悩ましげに見つめた。ついポツリと「それ過剰防衛というか、もはや一種の嵐みたいなものじゃ……」と自身から見たラビという少女について呟いてしまう。
のらりくらりと主張をかわされたラビは、遅れて子供扱いされているのではと遅れて気付き、ますます苛々した。屈強なヴァンの足を思い切り踏みつけてやると、彼が「いてっ」と声を上げて手を離したので、その隙に距離を取った。
「オレは子供じゃないし騒ぎも起こさない!」
ラビは指を突きつけてそう断言すると、ノエルに「行こう!」と声をかけて走り出した。後ろからセドリックが呼び止める声が聞こえたが、構うものかと無視して、よそよそしくて心地悪い群衆の中をぐんぐん進んだ。