男装獣師と妖獣ノエル 2~このたび第三騎士団の専属獣師になりました~
よくよく見てみると、土や埃で変色してしまっている亀裂の入った壁には、彫られた柄の装飾や、かなり薄くなってしまって、全体図が明確には確認出来ない壁画もあった。古い時代の描かれ方の特徴でもあるのか、角ばった線で表わされた人達は、布を巻き付けたような衣装に身を包んでいる。
「動物の絵っぽいのもあるけど、薄くなっていてよく見ないなぁ」
何かしら壁に仕掛けのような箇所や、そのヒントとなるような記しがないか、と捜していたはずなのに、ラビはつい興味津々でそれを眺めてしまっていた。でも、角度を変えて観察しても、一体なんの種類の動物なのかも分からなかった。
推測を諦めて背を起こしたタイミングで、ふっと何気なく視線を上げた。
二階近くの柱部分に、小さな彫り物がある事に気付いた。縄模様の柄なのかなと思って観察していると、それが支柱を輪っか状にぐるりと巻きつくように彫られた蛇だと分かった。
「ねぇノエル、この蛇の彫刻って、何か意味があったりする?」
「動物の絵っぽいのもあるけど、薄くなっていてよく見ないなぁ」
何かしら壁に仕掛けのような箇所や、そのヒントとなるような記しがないか、と捜していたはずなのに、ラビはつい興味津々でそれを眺めてしまっていた。でも、角度を変えて観察しても、一体なんの種類の動物なのかも分からなかった。
推測を諦めて背を起こしたタイミングで、ふっと何気なく視線を上げた。
二階近くの柱部分に、小さな彫り物がある事に気付いた。縄模様の柄なのかなと思って観察していると、それが支柱を輪っか状にぐるりと巻きつくように彫られた蛇だと分かった。
「ねぇノエル、この蛇の彫刻って、何か意味があったりする?」