男装獣師と妖獣ノエル 2~このたび第三騎士団の専属獣師になりました~
ノエルと共に勢いよくそちらに目を向けてみると、二階部分に人影があった。それは、つい最近見た覚えのある、頭にターバンを巻いた三人の若い男達だった。
アビードの街で騒ぎを起こした、例の兄弟強盗団である。どうやってそこに辿り着いたのか、彼らは何やら揃って足元を見下ろしている。
「あいつらって、アビードにいた財布ドロボーだよね……? なんてココにいるんだろう」
『あ~…………多分、ついてきたんだろうなぁ』
人間の匂いがするとは思っていたが、ルーファス関係じゃなくて、あいつらだったのか……とノエルは困ったように首を傾げた。
ラビ達が動きを止めている事に気付いて、セドリックが同じ方向へ目を向けた。彼と共に祭壇を調べていたユリシアが、続くように振り返ってすぐ、美麗な顔を顰めて「すぐ釈放するとは、聞いていませんが」と訝って口にする。
離れた場所にいたヴァン達も目を向け出す中、二階の位置にいる三人兄弟の盗賊団は、こちらの様子にも気付いていないようだった。足元の何かを注視したまま、次の行動を考えるみたいに、待ちきれない様子で足取り軽くぐるぐると回っている。
不意に一番長身の男、盗賊団のリーダーで長男のベックが、決めた、という顔で足を止めて口を開いた。
「分かったぜッ、思い切り踏めばスイッチになるはずだ!」
「さっすが兄貴! かっこいいッ」
「これは金の匂いがするぜ!」
はしゃぐ三人の声を聞いたノエルが、『おいおいちょっと待てよ』と忠告の声を上げた。しかし、その直後、ベッグの喜々とした「はい踏んだ!」の台詞が上がっていた。
アビードの街で騒ぎを起こした、例の兄弟強盗団である。どうやってそこに辿り着いたのか、彼らは何やら揃って足元を見下ろしている。
「あいつらって、アビードにいた財布ドロボーだよね……? なんてココにいるんだろう」
『あ~…………多分、ついてきたんだろうなぁ』
人間の匂いがするとは思っていたが、ルーファス関係じゃなくて、あいつらだったのか……とノエルは困ったように首を傾げた。
ラビ達が動きを止めている事に気付いて、セドリックが同じ方向へ目を向けた。彼と共に祭壇を調べていたユリシアが、続くように振り返ってすぐ、美麗な顔を顰めて「すぐ釈放するとは、聞いていませんが」と訝って口にする。
離れた場所にいたヴァン達も目を向け出す中、二階の位置にいる三人兄弟の盗賊団は、こちらの様子にも気付いていないようだった。足元の何かを注視したまま、次の行動を考えるみたいに、待ちきれない様子で足取り軽くぐるぐると回っている。
不意に一番長身の男、盗賊団のリーダーで長男のベックが、決めた、という顔で足を止めて口を開いた。
「分かったぜッ、思い切り踏めばスイッチになるはずだ!」
「さっすが兄貴! かっこいいッ」
「これは金の匂いがするぜ!」
はしゃぐ三人の声を聞いたノエルが、『おいおいちょっと待てよ』と忠告の声を上げた。しかし、その直後、ベッグの喜々とした「はい踏んだ!」の台詞が上がっていた。