男装獣師と妖獣ノエル 2~このたび第三騎士団の専属獣師になりました~
「おい弟達ッ、んでクソガキ! ひとまずバラけて避けるんだ!」
ハッと同時に上を見た。ベックと共に弟達が「ぎゃああああ!」と両手を上げて、落下推測地点から脱兎の如く逃げ出し、ラビは「ふぎゃっ」と珍しく甲高良い声を上げて咄嗟に飛び退いた。それにノエルが俊敏に続く。
祭壇の方から、セドリックとヴァンが、早くこっちにと急かしてくる声が聞こえていた。中央の巨大な穴を避けなければならなくて、けれど広間の周囲に近づくほど、壁や支柱から瓦礫が降ってくる。
再び走り出しながら、チクショーなんでこんな事にッ、とラビは怒りが頂点に達した。落下してくる障害物が比較的少ない場所を、またしても集合する形で共に駆ける事になった三人兄弟の盗賊達を、ギロリと睨みつけた。
「お前らもう盗賊なんてやめちまえ!」
途端にベック達が、声を揃えて「ひでぇッ!」と叫んだ。その向こうから、崩壊した支柱の瓦礫が弾かれて、勢いよく飛んでくるのを見たノエルは『この人間共、緊張感と警戒心がなさすぎるなぁ……』と、代わりに尻尾で打ち返した。
ハッと同時に上を見た。ベックと共に弟達が「ぎゃああああ!」と両手を上げて、落下推測地点から脱兎の如く逃げ出し、ラビは「ふぎゃっ」と珍しく甲高良い声を上げて咄嗟に飛び退いた。それにノエルが俊敏に続く。
祭壇の方から、セドリックとヴァンが、早くこっちにと急かしてくる声が聞こえていた。中央の巨大な穴を避けなければならなくて、けれど広間の周囲に近づくほど、壁や支柱から瓦礫が降ってくる。
再び走り出しながら、チクショーなんでこんな事にッ、とラビは怒りが頂点に達した。落下してくる障害物が比較的少ない場所を、またしても集合する形で共に駆ける事になった三人兄弟の盗賊達を、ギロリと睨みつけた。
「お前らもう盗賊なんてやめちまえ!」
途端にベック達が、声を揃えて「ひでぇッ!」と叫んだ。その向こうから、崩壊した支柱の瓦礫が弾かれて、勢いよく飛んでくるのを見たノエルは『この人間共、緊張感と警戒心がなさすぎるなぁ……』と、代わりに尻尾で打ち返した。