一度は消えた恋ですが――冷徹御曹司は想い続けた花嫁に何度でも愛を放つ



「三年前になにがあったか、会った時にゆっくり聞かせてよ」

東京で会った時に、ゆかりには全て話す約束をして電話を切った。
ゆかりもホテルの仕事が忙しいから予定が立たず、やっとお互いの時間が合ったのが今日だ。

ゆかりは夜勤の日だというので、午前中に会ってお昼ご飯を食べてゆっくり過ごす計画にした。
部長からの連絡で出迎えの時間が変更になったから、午後三時には羽田に着いていなければならない。
お喋りするのは二時くらいまでがリミットだろう。
紗羽は時間いっぱいはゆかりと過ごそうと思って約束の場所へ向かった。

ゆかりの勤務先は新宿にある外資系のホテルだ。
そこに比較的近い代々木にあるゆかり行きつけのカフェに着いたら、懐かしい顔が見えた。

「「久しぶり」」

紗羽が駆け寄ると同時にゆかりも立ち上がり、同時に挨拶してしまう。
テーブルを挟んで向き合うと、どちらからともなく笑い出してしまった。

「変わらないねえ」
「お互いに」


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