一度は消えた恋ですが――冷徹御曹司は想い続けた花嫁に何度でも愛を放つ
八か月ほど前に小椋社長の葬儀で会ったときより、ずいぶんやつれて見える。
「今日お呼びたてしたのは……」
匡が話し始めると同時に、いっそう深く清水が頭を下げた。
「申し訳ございません」
「そうおっしゃるには、こちらの意図がおわかりということですね」
「は、はい」
山根にすすめられて清水がソファーに座った。
「このところ、契約通りに部品が納入されていませんね」
「申し訳ございません……」
唇を噛みしめて、清水が黙り込んでしまった。
その苦しそうな表情を見て、思わず匡が話しかける。
「清水さん、御社とは長いお付き合いです。なにか事情がおありでしたらお話しいただけませんか?」
口調は柔らかいが、匡の発言内容は重い。
場合によっては、契約を考え直さなければならないと同義なのだ。
清水は覚悟を決めたようだ。
深く息を吸い込んでから、ゆっくりと話し始めた。
「実は……本日は、お願いがあって伺いました」