王太子妃は2度目の恋をする
私には、何故か運命の人が、王太子殿下の他にいるような気がして、ならなかった。

それが誰かは分からない。

でも、会えばきっと分かると思う。

だって、運命の人なのだから。

私は鏡を見て、その瞳の奥に映る誰かを、見つめていた。


翌日、お父様と一緒に、王太子殿下が住んでいる、お城へと向かった。

馬車の中では、お父様は無言。

私は密かに、緊張していた。

「お父様。王太子殿下は、どのような方でしょう。」

「それを知る為に、今日会いに行くのだろう。」

少し、お人柄を教えてくれれば、参考になるのに。

私は気づかれないように、息を漏らし、外の景色を見つめた。


それにしても、さすがは公爵家筆頭のわが家。

お城までの時間は、30分以内に着く。
< 2 / 10 >

この作品をシェア

pagetop