王太子妃は2度目の恋をする
馬車を降りると、そこには一人の執事が立っていた。

「お初にお目にかかります。王太子付きの執事、ジュスタンと申します。」

「アリーヌです。初めまして。」


挨拶を済ませると、ジュスタンは広間に案内してくれた。

「王太子殿下は、中にいらっしゃいます。」

「ありがとう。」

扉が開いて、お父様と一緒に、広間に入った。

王座には王陛下が座り、その傍に王太子殿下が立っていた。


「本日はお招き頂き、有難うございます。陛下。」

お父様が挨拶をする。

「こちらこそ、来て貰って光栄だ。アフネル公爵。」

「はい。」

お父様は一歩左にずれると、私を一歩前に出させた。

「ここにいるのが、当家の娘でアリーヌでございます。」
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