王太子妃は2度目の恋をする
でも、何故私達はまた巡り会えたの?

その瞬間、前世での記憶が、スーッと頭を巡った。


そう、前世でも私達は、王族と貴族で。

私はあなたの妻だった。

私達は、政略結婚だったけれども、仲良く暮らしていた。


そして、ある日私が朝起きると、あなたの部屋の前が騒がしくなっていた。

腕にざわっと、鳥肌が立つ。

そうだ。私があなたの部屋に入ると……

あなたは大量の血を流して、倒れていた。


そこで、私の視界が途切れた。

「アリーヌ!しっかりしろ!」

「アリーヌ嬢!」

お父様と王太子殿下の声がする。

『王太子が、何者かに殺された!』
『暗殺だ!』

あなたは、前世で誰かに殺されていた。

その後の私は、あなたのいない世界に興味がなくて、呆然と生きていた。
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