王太子妃は2度目の恋をする
ある日、庭を散歩していると、大きな池があった。

危ないからと普段、寄り付かない場所。

でもこの時は、ふらりと近づいてしまった。

『王太子殿下……』

池に顔を映すと、私の隣に王太子殿下が移った。

『殿下!』

映った顔に手を伸ばすと、私は池に落ちた。

そしてそのまま、私は抗う事なく、命を絶った。


殿下……

生まれ変わっても、もう一度あなたの妻になりたい。


「殿下……」

手を伸ばすと、温かい手が私の手を握った。

「アリーヌ嬢。私はここにいます。」

目をゆっくりと開けると、私の傍には王太子殿下が付き添っていた。

「殿下、ずっと側に?」

「ああ。お父上の許可は得ている。」

その時、私は自分でも王太子殿下を求めている事を知った。
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