王太子妃は2度目の恋をする
「ここはどこ……」

「私の部屋です。」

「えっ⁉」

王太子殿下の部屋⁉じゃあ、ここは殿下のベッド⁉

私は起き上がった。

「まだ、寝ていた方がいい。」

「でも、殿下のベッドにこれ以上、いる訳には。」

「いいんだ。」

殿下は私を横にさせると、頬に手を当ててくれた。

「気分はどうかな。」

「はい、だいぶ落ち着きました。」

「よかった。謁見で私の顔を見た途端、倒れたのを見て、凄く心配したんだよ。」

「ありがとうございます。」

すると王太子殿下は、笑顔になった。

「不思議だな。遠い昔から、君を知っているような気がするよ。」

「殿下……」

もしかして、私を覚えて下さっている?

ああ、殿下。

私達、前世では夫婦だったのですよ。
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