王太子妃は2度目の恋をする
「私は、王太子殿下の事を、ご尊敬申し上げております。」

「アリーヌ嬢……」

「嫌いだなんて、そんな……」


私達は、あんなに愛し合っていた。

政務の時以外は、片時も離れた事がなかった。

あなたを失った時も、生きている気がしなかった。

こんなにも、思い出せるくらいに、あなたの事が好き。

私は生まれ変わっても、同じ人を愛しているのだ。


「アリーヌ。これは、私の一つの意見として、聞いてくれ。」

「はい。」

王太子殿下は、両手で私の手を握ってくれた。 

「君との結婚を聞いた時、私には他に結婚すべき相手がいるのではないかと、思っていた。」

私もです。王太子殿下。

「だが、今日初めて君を見て、ああ、この人こそ私の伴侶となるべき人だと感じた。」
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