【短編】地味男が同居したら溺甘オオカミになりました。
「え? 本気?」
「本気だって言ったら?」

 表情はよく見えないけれど、冗談を言っている様には感じない。

 戸惑うけど、これは冗談で流しちゃダメなやつだって理解した。


 村城くんのことは別に嫌いじゃない。
 地味でパッとしないけど優しいし。
 でも好きって言えるほど彼のことを知らない。

 それに、まともに話したこともないのにどうして好意を持ってくれているのか分からない。

 ……とりあえず。

「か、考えさせて」

 告白成功を見た後ということもあって、何となくすぐ断るのが気まずくてそう言って逃げた。
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