【短編】地味男が同居したら溺甘オオカミになりました。
「カッコ、イイ……?」
「……え? 何で照れてるの?」
私の言葉に村城くんは軽く握った拳を口元に当てて耳を赤くさせていた。
どうしてなのか分からないけれど、明らかに照れている。
「その……自分がカッコイイ方だってのは分かっているんだけど……伊千佳さんに言われたら、何かすっごく嬉しくて……」
「そう、なの?」
「うん……あーヤバい。ねぇ伊千佳さん、キスしたい」
「へぇい⁉」
朝からそんなことを言われて私も一気に顔が赤くなる。
しかもいつものように『キスしていい?』っていう質問じゃなくて『キスしたい』、だ。
その違いに込められた余裕のなさに気付いて嫌でもドキドキしてしまう。
「伊千佳さん……」
熱っぽい視線に私も熱くなってくる。
でもダメだと熱を振り払うように頭を振った。
「ダメだよ! 遅刻しちゃうよ⁉」
「……ちぇっ……」
可愛くふてくされる意外な一面を見せた村城くんに、ちょっとキュンとなりながら私は彼の背中を押して家を出た。
「……え? 何で照れてるの?」
私の言葉に村城くんは軽く握った拳を口元に当てて耳を赤くさせていた。
どうしてなのか分からないけれど、明らかに照れている。
「その……自分がカッコイイ方だってのは分かっているんだけど……伊千佳さんに言われたら、何かすっごく嬉しくて……」
「そう、なの?」
「うん……あーヤバい。ねぇ伊千佳さん、キスしたい」
「へぇい⁉」
朝からそんなことを言われて私も一気に顔が赤くなる。
しかもいつものように『キスしていい?』っていう質問じゃなくて『キスしたい』、だ。
その違いに込められた余裕のなさに気付いて嫌でもドキドキしてしまう。
「伊千佳さん……」
熱っぽい視線に私も熱くなってくる。
でもダメだと熱を振り払うように頭を振った。
「ダメだよ! 遅刻しちゃうよ⁉」
「……ちぇっ……」
可愛くふてくされる意外な一面を見せた村城くんに、ちょっとキュンとなりながら私は彼の背中を押して家を出た。