【短編】地味男が同居したら溺甘オオカミになりました。
また何か話そうと思うんだけど、鼓動が邪魔をして言葉が出てこない。
そうしてしばらく無言の時間が過ぎてしまった。
そうなると今度は声を出すのもためらわれて……。
ど、どうしよう。
話を切り出すことすら出来ない……。
手の体温にまだドキドキは治まらないし、本当にどうしようと困り果てた。
すると、村城くんの方が話しかけて来てくれる。
「……こうして夜一緒に過ごせるのも、今日で最後だよね?」
「う、うん」
どう返せばいいのか分からなくて、声もうわずってしまったかも知れない。
でも、村城くんは気にせず話を続ける。
「やっぱり寂しいな。学校で会えるには会えるけど、クラスも違うし……接点なんて委員会くらいしかないし」
「あ……」
村城くんも全く同じこと考えてたんだ。
それが分かって恥ずかしいような気もしたけれど……嬉しかった。
「……目、暗さに慣れてきたね?」
「え? あ、そうだね」
言われて周囲を見ると、暗がりの中でもぼんやりものが見えるようになっている。
「……伊千佳さん」
呼びかけに村城くんを見ると、近い分その表情も少しは分かった。
多分、真剣な表情。
そうしてしばらく無言の時間が過ぎてしまった。
そうなると今度は声を出すのもためらわれて……。
ど、どうしよう。
話を切り出すことすら出来ない……。
手の体温にまだドキドキは治まらないし、本当にどうしようと困り果てた。
すると、村城くんの方が話しかけて来てくれる。
「……こうして夜一緒に過ごせるのも、今日で最後だよね?」
「う、うん」
どう返せばいいのか分からなくて、声もうわずってしまったかも知れない。
でも、村城くんは気にせず話を続ける。
「やっぱり寂しいな。学校で会えるには会えるけど、クラスも違うし……接点なんて委員会くらいしかないし」
「あ……」
村城くんも全く同じこと考えてたんだ。
それが分かって恥ずかしいような気もしたけれど……嬉しかった。
「……目、暗さに慣れてきたね?」
「え? あ、そうだね」
言われて周囲を見ると、暗がりの中でもぼんやりものが見えるようになっている。
「……伊千佳さん」
呼びかけに村城くんを見ると、近い分その表情も少しは分かった。
多分、真剣な表情。