【短編】地味男が同居したら溺甘オオカミになりました。
「告白の返事、今聞いてもいいかな?」
「っ!」
私自身そのつもりで来たのに、いざそれをうながされると言葉が詰まる。
伝えればいい。
私の返事は、きっと村城くんが喜んでくれるものだから。
そこまで考えて、いや、と少し冷静になる。
本当に喜んでもらえるのかな?
好きだと言われたけれど……キスまでされたけれど……何かがきっかけで告白を取り消したいとか思ったりしていないかな?
そう簡単に気持ちが変わるわけないと思いつつも、そのちょっとの不安が“好き”の二文字を口にさせてくれない。
だから、代わりに聞き返していた。
「その前に、どうして私を好きになったの? 村城くん本当は凄くモテるでしょう? 私みたいな普通女子相手にしなくても……っ」
続く言葉は彼の指で止められてしまう。
手をつないでいない方の指が、私の唇にそっと触れていた。
「伊千佳さんは、俺の特別だよ。普通だとか、俺がモテるとか、関係ない」
指が離れていくと、村城くんは私から視線を外し前を向く。
そうして話してくれた。
「俺さ、引っ越ししたての頃……学校に通う前に伊千佳さんと一度会ったことがあるんだ」
地味な方じゃなくて今のこの姿でね、と言われて「え?」としか返せない。
「っ!」
私自身そのつもりで来たのに、いざそれをうながされると言葉が詰まる。
伝えればいい。
私の返事は、きっと村城くんが喜んでくれるものだから。
そこまで考えて、いや、と少し冷静になる。
本当に喜んでもらえるのかな?
好きだと言われたけれど……キスまでされたけれど……何かがきっかけで告白を取り消したいとか思ったりしていないかな?
そう簡単に気持ちが変わるわけないと思いつつも、そのちょっとの不安が“好き”の二文字を口にさせてくれない。
だから、代わりに聞き返していた。
「その前に、どうして私を好きになったの? 村城くん本当は凄くモテるでしょう? 私みたいな普通女子相手にしなくても……っ」
続く言葉は彼の指で止められてしまう。
手をつないでいない方の指が、私の唇にそっと触れていた。
「伊千佳さんは、俺の特別だよ。普通だとか、俺がモテるとか、関係ない」
指が離れていくと、村城くんは私から視線を外し前を向く。
そうして話してくれた。
「俺さ、引っ越ししたての頃……学校に通う前に伊千佳さんと一度会ったことがあるんだ」
地味な方じゃなくて今のこの姿でね、と言われて「え?」としか返せない。