【短編】地味男が同居したら溺甘オオカミになりました。
その後で道に迷ったという彼に道案内をして別れた。
好みのイケメンと話せた上に人助けできて良かったなーくらいにしか思っていなかったけれど、あれって村城くんだったの⁉
ポカンとして村城くんを見る。
一年近く前のことだし、好みのイケメンってこと以外は顔もちゃんと覚えていなかったから分からなかった。
私を見て小さく笑った彼は「思い出した?」と聞いて来る。
「う、うん……」
「あの時は本当に助かったんだ。逆ナンしてくる人たちから離してくれて……しかもちゃんと道案内もしてくれて。そうして学校に行ったら同じクラスに伊千佳さんがいただろ? ちょっと運命感じちゃったりもしてた」
「そう、だったの?」
転入したときはすでに地味な格好をしていたから、私の方は同一人物だとは気付かなかった。
「そんな感じで伊千佳さんのことを気にして見てたらさ、世話好きなとことかホント好きだなぁって思うようになって……いつの間にか本当に好きになってた」
「……っ」
いつも聞いていたはずの村城くんの『好き』という言葉。
理由を知ったら、その言葉の重みが増してダイレクトに心に届いた。
「それにさ、俺の素顔見たときすぐに好きになったって言わなかったよね? ちゃんと中身を見ようとしてくれてるんだって分かって、もっと好きになった」
ドキドキが、止まらない。
むしろ、どんどん早くなっている気がする。
好みのイケメンと話せた上に人助けできて良かったなーくらいにしか思っていなかったけれど、あれって村城くんだったの⁉
ポカンとして村城くんを見る。
一年近く前のことだし、好みのイケメンってこと以外は顔もちゃんと覚えていなかったから分からなかった。
私を見て小さく笑った彼は「思い出した?」と聞いて来る。
「う、うん……」
「あの時は本当に助かったんだ。逆ナンしてくる人たちから離してくれて……しかもちゃんと道案内もしてくれて。そうして学校に行ったら同じクラスに伊千佳さんがいただろ? ちょっと運命感じちゃったりもしてた」
「そう、だったの?」
転入したときはすでに地味な格好をしていたから、私の方は同一人物だとは気付かなかった。
「そんな感じで伊千佳さんのことを気にして見てたらさ、世話好きなとことかホント好きだなぁって思うようになって……いつの間にか本当に好きになってた」
「……っ」
いつも聞いていたはずの村城くんの『好き』という言葉。
理由を知ったら、その言葉の重みが増してダイレクトに心に届いた。
「それにさ、俺の素顔見たときすぐに好きになったって言わなかったよね? ちゃんと中身を見ようとしてくれてるんだって分かって、もっと好きになった」
ドキドキが、止まらない。
むしろ、どんどん早くなっている気がする。