俺様御曹司が溺甘パパになって、深い愛を刻まれました
「経営関係の知識はからっきしですし、シフトも皆さんに甘えてかなり変則なんですよ。そんな状態でお相手なんて、粗相をしてしまいそうで心臓もちません。そうだ! お客様アンケートで高評価をもらった花恵さんのほうが適任じゃ……」
慌てて否定するが、すでにみんなの視線は自分に集中している。
「でも、美夜ちゃんが来てから旅館の売り上げ上がったっていうじゃない。広報関係にも強いし、ホームページリニューアルとかも、美夜ちゃんが助言してくれてアクセス増えたんでしょ?」
「いやいやいや……!」
当時傾きかけていた旅館経営が右肩上がりになったのは、自分が来たからではなく、自分が来た直後に、この旅館がMISAIJIグループの傘下に入ったからではないだろうか。
ホームページの件も、前職で広告などに少しだけ携わった程度で、意見を求められた時に少し発言をしただけだ。
大したことはしていない。
「うちの子はもう年長だし、美夜ちゃんほどウォッチオーバー使わないよ。それに、シフトもみんなとほぼ一緒。変則で働いている人の現状を知りたくてくるんだから、やっぱり美夜ちゃんがいいと思うけど」
花恵の発言は、女将の背中をどんどん押した。
他の従業員に目を配るが、該当しそうな人は「うちはまだ一歳だからちょっと……」などとさっと目を逸らす。やばい、このままだと……
この旅館に、住み込みで働くひとり親は美夜と花恵の他にもいる。
みんなでローテーションにすれば良いのではないか。
一か月も御曹司と一緒だなんて、ストレスで禿げたらどうしてくれるのだ。
慌てて否定するが、すでにみんなの視線は自分に集中している。
「でも、美夜ちゃんが来てから旅館の売り上げ上がったっていうじゃない。広報関係にも強いし、ホームページリニューアルとかも、美夜ちゃんが助言してくれてアクセス増えたんでしょ?」
「いやいやいや……!」
当時傾きかけていた旅館経営が右肩上がりになったのは、自分が来たからではなく、自分が来た直後に、この旅館がMISAIJIグループの傘下に入ったからではないだろうか。
ホームページの件も、前職で広告などに少しだけ携わった程度で、意見を求められた時に少し発言をしただけだ。
大したことはしていない。
「うちの子はもう年長だし、美夜ちゃんほどウォッチオーバー使わないよ。それに、シフトもみんなとほぼ一緒。変則で働いている人の現状を知りたくてくるんだから、やっぱり美夜ちゃんがいいと思うけど」
花恵の発言は、女将の背中をどんどん押した。
他の従業員に目を配るが、該当しそうな人は「うちはまだ一歳だからちょっと……」などとさっと目を逸らす。やばい、このままだと……
この旅館に、住み込みで働くひとり親は美夜と花恵の他にもいる。
みんなでローテーションにすれば良いのではないか。
一か月も御曹司と一緒だなんて、ストレスで禿げたらどうしてくれるのだ。