俺様御曹司が溺甘パパになって、深い愛を刻まれました
「おーくんパパじゃなーの?」
「えっ?」
夜尋は傷ついてしまったのか、目に涙を浮かべた。
じわじわとそれはあふれ、丸いほっぺたにぼろりと落ちる。
どうしよう。言い方を間違えてしまった?
「めっなのー! ぼくのパパなのー!」
癇癪をおこして、突然うわーんと泣いた。
「え?! ぱ、パパだよっ 夜尋のパパだ……」
黙って結果を待っていた音夜も慌てる。
「パパぁ!」
「うん……うん! 夜尋のパパだよ」
「……ほーと?」
音夜がぎゅっと抱きしめると、夜尋は嬉しそうにした。嘘泣きだったのかと思うほど、けろっと泣き止んだ。音夜のシャツは、ハンバーグのソースだけじゃなくて、鼻水に涎もくっついた。
「パパねー。ぼくとおめめ、おしょろなの。ちゃいろ。ね」
にっこにっこしながら音夜の頬を挟んで、瞳を合わせた。
ああ、手にはまだソースがついたままなのに。
音夜の頬が茶色くなる。でも音夜はそんなことは気にせずに、きれいな顔をくしゃりと崩壊させた。
「目……ああ、そうだな、お揃いだ。お前はわかってくれていたんだな――――最高だ! 大好きだぞ夜尋!」
思いもよらない急展開に、驚きながらもジワリと涙が滲んだ。
いつ話そう。
どうやってきりだそう。
なんて言えばわかりやすいかとか、色んな体裁ばかりを考えていたけれど、そんなことより、夜尋は本能で分かってくれていたのだ。
「音夜……音夜……今までごめんなさい。
相談もせずに逃げて、勝手なことをして……あなたを傷つけてばかりいた。状況次第では、またあなたから夜尋を奪おうとしていたのに、それなのに、ずっと良くしてくれて……」
「美夜、君を愛する男として父親として、当たり前のことだと言っただろ。
正式に付き合う前に、一夜で授かったんだ。混乱したり不安になるのは当たり前だ。俺にも責任はあるんだから、自分ばかりを責めるな。俺は今、夜尋に会えて、二人に選んで貰えてうれしいんだよ。だからそんなに泣かないで……」
「ママーいたいの?」
ぽろぽろと泣いてしまったら、夜尋が眉を下げて手を伸ばした。音夜の腕から腕へと飛び移り、今度は美夜が抱きしめる。
小さな手は涙をぬぐってくれて、美夜の頬にもソースがついた。
「ふ、ふふふふ。ありがとうね。嬉しくて泣いちゃったの」
自分達だけの問題じゃなくて、気持ちだけではどうにもならない問題が沢山ある。
けれど、それを予測して尻込みするよりも、まずは自分の気持ちが大事なのだと、ナオに教わった気がした。
大人になったのだと言い訳をして、失敗を怖がって行動できない、つまらない人間になっていたようだ。
手嶋美夜は、もっと強かったはず。
失敗もあった。けれど、あの時の、精力的で前向きだった自分を否定しちゃだめだ。
愛する人と、子供と一緒にいたい。その気持ちは間違いではない。
「突然現れた俺に、たくさん悩んでくれたと思う。でその思いは無下にはしないから。俺を信じて。これからも、よろしくね」
「ありがとう。よちらこそ、よろしくお願いします」
「よおしくー」
夜尋と真似をして、ぺこりと頭をさげた。
三人、お揃いのソースをつけたまま、互いに破顔した。
「えっ?」
夜尋は傷ついてしまったのか、目に涙を浮かべた。
じわじわとそれはあふれ、丸いほっぺたにぼろりと落ちる。
どうしよう。言い方を間違えてしまった?
「めっなのー! ぼくのパパなのー!」
癇癪をおこして、突然うわーんと泣いた。
「え?! ぱ、パパだよっ 夜尋のパパだ……」
黙って結果を待っていた音夜も慌てる。
「パパぁ!」
「うん……うん! 夜尋のパパだよ」
「……ほーと?」
音夜がぎゅっと抱きしめると、夜尋は嬉しそうにした。嘘泣きだったのかと思うほど、けろっと泣き止んだ。音夜のシャツは、ハンバーグのソースだけじゃなくて、鼻水に涎もくっついた。
「パパねー。ぼくとおめめ、おしょろなの。ちゃいろ。ね」
にっこにっこしながら音夜の頬を挟んで、瞳を合わせた。
ああ、手にはまだソースがついたままなのに。
音夜の頬が茶色くなる。でも音夜はそんなことは気にせずに、きれいな顔をくしゃりと崩壊させた。
「目……ああ、そうだな、お揃いだ。お前はわかってくれていたんだな――――最高だ! 大好きだぞ夜尋!」
思いもよらない急展開に、驚きながらもジワリと涙が滲んだ。
いつ話そう。
どうやってきりだそう。
なんて言えばわかりやすいかとか、色んな体裁ばかりを考えていたけれど、そんなことより、夜尋は本能で分かってくれていたのだ。
「音夜……音夜……今までごめんなさい。
相談もせずに逃げて、勝手なことをして……あなたを傷つけてばかりいた。状況次第では、またあなたから夜尋を奪おうとしていたのに、それなのに、ずっと良くしてくれて……」
「美夜、君を愛する男として父親として、当たり前のことだと言っただろ。
正式に付き合う前に、一夜で授かったんだ。混乱したり不安になるのは当たり前だ。俺にも責任はあるんだから、自分ばかりを責めるな。俺は今、夜尋に会えて、二人に選んで貰えてうれしいんだよ。だからそんなに泣かないで……」
「ママーいたいの?」
ぽろぽろと泣いてしまったら、夜尋が眉を下げて手を伸ばした。音夜の腕から腕へと飛び移り、今度は美夜が抱きしめる。
小さな手は涙をぬぐってくれて、美夜の頬にもソースがついた。
「ふ、ふふふふ。ありがとうね。嬉しくて泣いちゃったの」
自分達だけの問題じゃなくて、気持ちだけではどうにもならない問題が沢山ある。
けれど、それを予測して尻込みするよりも、まずは自分の気持ちが大事なのだと、ナオに教わった気がした。
大人になったのだと言い訳をして、失敗を怖がって行動できない、つまらない人間になっていたようだ。
手嶋美夜は、もっと強かったはず。
失敗もあった。けれど、あの時の、精力的で前向きだった自分を否定しちゃだめだ。
愛する人と、子供と一緒にいたい。その気持ちは間違いではない。
「突然現れた俺に、たくさん悩んでくれたと思う。でその思いは無下にはしないから。俺を信じて。これからも、よろしくね」
「ありがとう。よちらこそ、よろしくお願いします」
「よおしくー」
夜尋と真似をして、ぺこりと頭をさげた。
三人、お揃いのソースをつけたまま、互いに破顔した。