『ペットフード』
苺美が出て行ったドアを閉める。
鍵を掛ける。チェーンを掛ける。部屋に戻る。窓から下を見る。
トボトボとした足取りの苺美の姿を見る。
苺美はこちらを見上げる事なく、視界から消えてくれた。
カーテンを閉める。心も閉じた。
本当…面倒臭い。
大っ嫌い。
ため息だけ。

ここで自ら消えてくれれば、あんな日は来なかった。
あんな事、起きなかった。
未来はもう…止まらない。
動く。はい。確定です。
今が確かです。すべてへの “確” です。
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