『ペットフード』
「今日も追ってたよね?」と苺美を真っ直ぐ見る。
「見てたの?」と苺美も雨哥を見た。
はい。見てました。見てたけど。アンタが罠に掛かったんじゃん。置いてた餌を取りに来たの、アンタでしょ?
「今日も、出張に行ってた時も、琉羽の後、追ってたよね。知ってるんだよ」
「えっ?あっ…そうなんだ…」
「出張先で見付けたのは偶然だよ。琉羽が気付いて…。出張先もだけど、今日も…。さっきも琉羽の事、尾(つ)けてたよね?何で?何で追うの?」
「えっと…」
苺美は口籠る。
「いいよ。思い出してよ。待つから」と雨哥は立ち上がる。
「雨哥?」と見上げる苺美に「寒いから、ココアでも淹れようかと思って。飲む?」と雨哥は台所へと体を向ける。
「飲む?」と聞くと「う、うん。もらおうかな?」と背中で苺美の返事を受け取る。
背を向けて逃げる苺美ではない。
そこまでバカではない。
逃げたとしても、絶対…ねぇ…。
「見てたの?」と苺美も雨哥を見た。
はい。見てました。見てたけど。アンタが罠に掛かったんじゃん。置いてた餌を取りに来たの、アンタでしょ?
「今日も、出張に行ってた時も、琉羽の後、追ってたよね。知ってるんだよ」
「えっ?あっ…そうなんだ…」
「出張先で見付けたのは偶然だよ。琉羽が気付いて…。出張先もだけど、今日も…。さっきも琉羽の事、尾(つ)けてたよね?何で?何で追うの?」
「えっと…」
苺美は口籠る。
「いいよ。思い出してよ。待つから」と雨哥は立ち上がる。
「雨哥?」と見上げる苺美に「寒いから、ココアでも淹れようかと思って。飲む?」と雨哥は台所へと体を向ける。
「飲む?」と聞くと「う、うん。もらおうかな?」と背中で苺美の返事を受け取る。
背を向けて逃げる苺美ではない。
そこまでバカではない。
逃げたとしても、絶対…ねぇ…。