『ペットフード』
「もう琉羽君には近付かないって約束する。だから私の事」
「もうやめて!黙ってよ!」
ちゃんと答えてって言ったけれど、心が拒絶したんだ。言ったくせにね。
「雨哥!」ちゃんと伝えたい。
『私の事好きって何?』
心は壊れて行く。
分かって…分からない。

やめて。止めて。もう…ヤメテ。➖んで!
“其れ” を強く握る。
ここで苺美を聞いておけば “次” は変わってたんだろう…。でも…。
「雨哥」
次のその声に “其れ” を振り翳す。
消えろ!
一瞬の事。翳したんだ。
1秒の出来事。
「うるさい!大っ嫌い!」
全身…全心で思った。
この手で…“其れ” で…。
大っ嫌いだった…なったんだもん。
私は悪くない!そう言ってよ!「雨哥」呼ぶな!
「大嫌い!」
次の「やめて」は2人同時に言っていた。
最後に同じ言葉が合う重なるなんてね…。

全ては “秒” で起こせた。
もう終わって欲しくて
こんな奴いなくなれば。コイツが消えれば。秒の思考。
もう、そんなの一瞬で起こせたんだ。
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