『ペットフード』
ー赤の心味ー
ー赤の心味ー
「そうか。今のこの味を忘れるな。いい?この不味さを…」
タキが振り返り、真っ直ぐ雨哥を見る。
雨哥だけに言う。
この時、初めて他人に伝える。
「覚えておきなさい。今の味が嫌いな奴の味だ。忘れるな。そして、もう求めるな。いい?約束してもらう」
冷たい目だった。タキの目に冷たさが戻る。
前のような冷たい顔。
急に怖くなった。ほんの一瞬だけ。冷たいタキ。でも、平気だった。もう怖くない。
「今のが嫌いな奴の味…」
苺美だったであろう本体を見る。
ただの赤…。もう、そうとしか…。
嫌いな奴ってこんなに不味いんだ…。
嫌いだから当たり前か…。
人生の中で1番の不快な味。最悪でしかなかったな…コイツ…。
「嫌いな食べ物は何ですか?」と聞かれたら、答えとしては選ばないけれど「嫌いな人です」と答えるだろうと思った瞬間。
実際は「トマト」と答えるけどさ。
「そうか。今のこの味を忘れるな。いい?この不味さを…」
タキが振り返り、真っ直ぐ雨哥を見る。
雨哥だけに言う。
この時、初めて他人に伝える。
「覚えておきなさい。今の味が嫌いな奴の味だ。忘れるな。そして、もう求めるな。いい?約束してもらう」
冷たい目だった。タキの目に冷たさが戻る。
前のような冷たい顔。
急に怖くなった。ほんの一瞬だけ。冷たいタキ。でも、平気だった。もう怖くない。
「今のが嫌いな奴の味…」
苺美だったであろう本体を見る。
ただの赤…。もう、そうとしか…。
嫌いな奴ってこんなに不味いんだ…。
嫌いだから当たり前か…。
人生の中で1番の不快な味。最悪でしかなかったな…コイツ…。
「嫌いな食べ物は何ですか?」と聞かれたら、答えとしては選ばないけれど「嫌いな人です」と答えるだろうと思った瞬間。
実際は「トマト」と答えるけどさ。