『ペットフード』
ここで少し躊躇(ためら)ってしまう。
嫌だからとか、怖い、思い出したくないからとかじゃなくて「保管ってどうすれば…」と雨哥はそこが不安だった。他は別に。
「どこか暗い場所、光の当たりにくい場所に置いとけば良い。たまに見て、色があまりに変だったらまた持って来て。“直す”から」
タキからその容器を受け取る。
きっとこれがホルマリンなのだろう…。
初めて見た。本当にあるんだ。
「これに入れて持って帰って。んで…たまに見るんだ。色の確認もあるけど、頭で考えるだけじゃなくて…現実でちゃんと確認しろ」
きっともっと深く深く意味はあるのだろう。
けど、理解は出来た。分かってはいる。
そんな “カンタンな事”じゃないけど、タキが何を言いたいのか表面上だけなのかも知れないけど、分かった。
「ちゃんと…自分のした事を…」
雨哥のその一言にタキはただ頷いた。
『それで良い。それで十分だ。本当にこの子は…』とタキの心が揺れる。
タキに渡された黒い布の袋の中に “苺美の1枚ホルマリン漬け” の容器を入れる。
『クローゼットの奥に置いておくか…。あのクローゼットなら琉羽は開けないし…』
琉羽…。
ここで心臓が激しく打つ。
琉羽がこの事を知ったら…。
あっ…どうしよう…。
琉羽を思うと一気に不安になる。
強いのか弱いのか…。
どちらも…どれも自分だ。
それだけは確かで…。
嫌だからとか、怖い、思い出したくないからとかじゃなくて「保管ってどうすれば…」と雨哥はそこが不安だった。他は別に。
「どこか暗い場所、光の当たりにくい場所に置いとけば良い。たまに見て、色があまりに変だったらまた持って来て。“直す”から」
タキからその容器を受け取る。
きっとこれがホルマリンなのだろう…。
初めて見た。本当にあるんだ。
「これに入れて持って帰って。んで…たまに見るんだ。色の確認もあるけど、頭で考えるだけじゃなくて…現実でちゃんと確認しろ」
きっともっと深く深く意味はあるのだろう。
けど、理解は出来た。分かってはいる。
そんな “カンタンな事”じゃないけど、タキが何を言いたいのか表面上だけなのかも知れないけど、分かった。
「ちゃんと…自分のした事を…」
雨哥のその一言にタキはただ頷いた。
『それで良い。それで十分だ。本当にこの子は…』とタキの心が揺れる。
タキに渡された黒い布の袋の中に “苺美の1枚ホルマリン漬け” の容器を入れる。
『クローゼットの奥に置いておくか…。あのクローゼットなら琉羽は開けないし…』
琉羽…。
ここで心臓が激しく打つ。
琉羽がこの事を知ったら…。
あっ…どうしよう…。
琉羽を思うと一気に不安になる。
強いのか弱いのか…。
どちらも…どれも自分だ。
それだけは確かで…。