『ペットフード』
「こうやって誰かに渡したの、初めてだ。アンタ…本当…すごいよ」
タキが雨哥に伝えた。伝えたかった。
「そう…なんですか?そっか…」
タキは「ここに入れておきな。帰る時にまた渡す」とロッカーを開けた。
まるで仏壇にお骨を置くみたいに、ロッカーに苺美を置く。
こんなに小さく…お骨もそうか…。
一緒だとは決して思わない。
思えないけれど。
「この子の事、嫌いだったんだな」
タキがまた残りの苺美の横に立つ。
雨哥はまたホースw片手に洗う作業に戻る。
< 194 / 251 >

この作品をシェア

pagetop