『ペットフード』
★1枚の覚悟★
★1枚の覚悟★
【101号室】のドアを目前に、2人並んで立つ。
もう戻れない。
中からは何の音もしない。
ギュッと強く手を握り、目を合わせ、最後に笑顔で頷き合った。
最後の笑顔…かな?
そんな気持ちで微笑む。
大きく冷たい空気を吸い込み、【101号室】のドアをノックした。
数回の響く音。
鍵が開き、ドアが少しだけ開かれ、タキの顔が隙間から見える。
「タキさん」とだけ雨哥は言い、隣の琉羽を見た。
「入って」とタキがドアを開け、2人を【101号室】に入れる。
全て察したような表情と動きで。
「それで?」とタキの冷たい視線が2人を捕らえる。
「雨哥から話は聞きました」と琉羽が頭を下げる。
「私も聞いた。それで?何しに来たの?」
タキの声に琉羽の喉が鳴る。
「雨哥だけに…この気持ちこの生活を送らせたくないんです。僕も…僕にも雨哥の気持ち、罪を与えて下さい。雨哥があの子を…あの子の命をあんな風にしたのは、僕への気持ちだから」
琉羽は強く言っていた。
ホルマリンの中の苺美が脳裏に過ぎる。
けれど、その声は雨哥ですら初めて聞く程、震えていた。
怖いんだ。
琉羽だって、命を懸けて言っているんだ。
それくらいの覚悟だ。
【101号室】のドアを目前に、2人並んで立つ。
もう戻れない。
中からは何の音もしない。
ギュッと強く手を握り、目を合わせ、最後に笑顔で頷き合った。
最後の笑顔…かな?
そんな気持ちで微笑む。
大きく冷たい空気を吸い込み、【101号室】のドアをノックした。
数回の響く音。
鍵が開き、ドアが少しだけ開かれ、タキの顔が隙間から見える。
「タキさん」とだけ雨哥は言い、隣の琉羽を見た。
「入って」とタキがドアを開け、2人を【101号室】に入れる。
全て察したような表情と動きで。
「それで?」とタキの冷たい視線が2人を捕らえる。
「雨哥から話は聞きました」と琉羽が頭を下げる。
「私も聞いた。それで?何しに来たの?」
タキの声に琉羽の喉が鳴る。
「雨哥だけに…この気持ちこの生活を送らせたくないんです。僕も…僕にも雨哥の気持ち、罪を与えて下さい。雨哥があの子を…あの子の命をあんな風にしたのは、僕への気持ちだから」
琉羽は強く言っていた。
ホルマリンの中の苺美が脳裏に過ぎる。
けれど、その声は雨哥ですら初めて聞く程、震えていた。
怖いんだ。
琉羽だって、命を懸けて言っているんだ。
それくらいの覚悟だ。