『ペットフード』
紙をテーブルの上に広げタキが琉羽の前に座る。
「本気なのは分かってる。でも、もし…」
タキが言葉に詰まる。
初めてに近い事だ。言葉に迷うなんて…。
「もし、その時は…」
タキの言葉に琉羽が続けた。
「お願いします。大丈夫と信じてるから。その時は…お願いします」
ほんの一瞬、本当にほんの一瞬。タキが微笑んで見せてくれた気がした。
琉羽にはそう映ったんだ.
タキは立ち上がり、雨哥を迎えに行く。
きっと大丈夫だ…。
タキも信じたかった。
雨哥を信じたい。
初めての “信” を雨哥に…。
< 232 / 251 >

この作品をシェア

pagetop