『ペットフード』
全てを読み理解した。
琉羽は雨哥の全てを分かっている。
手錠を掛けられても雨哥は全力で止めようとした。
「でも、証明なんて…。琉羽、傷が残るんだよ。そんな事、証明なんて必要」
「あるんだよ。それがここのルールでしょ?」
雨哥の言葉を琉羽の声が止める。
「もし…求めていた答えじゃなかった時、そうするんだ?」
タキが問う。
そう。怖いのは証明の答えだ。
もし違ったら?不味かったら?
「その時は…僕を殺して下さい」
琉羽の返事に雨哥は目を閉じた。
そうするしか…ないのか…。
そう。だからこんなに怖くて不安になるんだ。他にないから。
それでもやっぱり、心は揺れる。
「琉羽!やっぱりそんなの嫌。琉羽が死ぬなんてそんなの絶対に嫌!ダメ!駄目なの!」
その場に崩れ落ち泣きじゃくる。
駄目なんだって。
琉羽がいなきゃ何も…何もかも要らなくなる。
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