『ペットフード』
雨哥がこの“風澗荘”に越して来たのは年初めの頃。
人が少なくて、駅から離れていて、バス停も一つ隣の道だがコンビニは近い。
そんな場所に“風澗荘”はある。
だからこそ選んだのだけど。
不便な方が良かったから。
2月の初め、苺美が訪ねて来た。
やっぱり来た。
「なんでこんな不便な場所を選んだの?」と苺美は不貞腐れながら言う。
苺美はタクシー代を「無駄」と感じている。
『じゃあ歩いて来いよ』
「人が少ない方が集中できるから」と雨哥はビーズのフタを閉めた。
「私の為にせめて駅近にして欲しかったな」
『あんたのせいなんですけど』と心でボヤき「ごめんね」と雨哥はビール缶を苺美に渡す。
これで4本目の「ごめんね」なのだけど。
何回謝れば気が済むのだろうか…。
まぁ、どうでも良い。
それで済むなら何度でも。
「ごめんね」
人が少なくて、駅から離れていて、バス停も一つ隣の道だがコンビニは近い。
そんな場所に“風澗荘”はある。
だからこそ選んだのだけど。
不便な方が良かったから。
2月の初め、苺美が訪ねて来た。
やっぱり来た。
「なんでこんな不便な場所を選んだの?」と苺美は不貞腐れながら言う。
苺美はタクシー代を「無駄」と感じている。
『じゃあ歩いて来いよ』
「人が少ない方が集中できるから」と雨哥はビーズのフタを閉めた。
「私の為にせめて駅近にして欲しかったな」
『あんたのせいなんですけど』と心でボヤき「ごめんね」と雨哥はビール缶を苺美に渡す。
これで4本目の「ごめんね」なのだけど。
何回謝れば気が済むのだろうか…。
まぁ、どうでも良い。
それで済むなら何度でも。
「ごめんね」