『ペットフード』
次の日の深夜。
聞き覚えのある “バタン” と言うその音が響いた。
雨哥は当たり前のようにカータンを開ける。

駐車場にワゴン車が停まっている。
さっきの音はそのワゴン車のドアを閉める音だ。
「今日もお疲れ様」なんて呑気に小さくタキの顔を思い浮かべ言う。

1:12
「深夜が多いな…」と小声で言う。
昼間に運んで来るのを見た事がない。
見てないだけ?
1回も見ないなんて事あるだろうか。
まぁ、いいか。
車に男の人が戻り、もう1つ…「ん?」1匹を抱え、また【101号室】の方へ歩く。
抱えられた犬は眠っているようだ。
『今夜はあの子のご飯を作るのか…』
雨哥はタキの家の中に見えたあの日の “ペットフード” えお思い出した。
少し経つと、下から音が届く。
いつもの重い音。作ってる…。
大家の犬も鳴く。
「あの抱えられた犬は鳴かないのに大家の犬は…」と雨哥は雑誌に集中を移す。
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