『ペットフード』
琉羽は苺美がワインバーの外にいるのを知らなかった。
あの日も待たれていたと言う。
ワインバーから出てすぐに苺美に気付き、雨哥がいない事もすぐに分かった。
雨哥はこんな非常識な行動をしないから。
それに連絡をするはずだ。
その言葉に胸が痛む。
琉羽にその行動はしなくても、苺美の後は追ったから。
きっと許してくれる。けれど、言えなかった。見ていたなんて。追っていたなんて。言えなかった。
「苺美ちゃんに相談があるって言われたんだけど、その時、何でワインバーの前で待っていたのかも気になって…。
聞こうと思って部屋に行った。そしたらすぐにビールとか出されて…。飲むつもりとかなかったから、水に変えてもらって。
それから、どうしてワインバーにいたのか、相談が何なのか聞いたんだ。でも、そんな話もなかなかしてくれなくて…。
俺、帰ろうとしたんだ。
そしたら「帰らないで」って抱きつかれてさ」
雨哥は手をギュッと握り締めた。
手の平に爪が食い込み、痛くて止める。
駄目。信じるんだ。
「何もなかったよ。すぐ帰ったから」と言った後、続けた。
苺美の行動を。
あの日も待たれていたと言う。
ワインバーから出てすぐに苺美に気付き、雨哥がいない事もすぐに分かった。
雨哥はこんな非常識な行動をしないから。
それに連絡をするはずだ。
その言葉に胸が痛む。
琉羽にその行動はしなくても、苺美の後は追ったから。
きっと許してくれる。けれど、言えなかった。見ていたなんて。追っていたなんて。言えなかった。
「苺美ちゃんに相談があるって言われたんだけど、その時、何でワインバーの前で待っていたのかも気になって…。
聞こうと思って部屋に行った。そしたらすぐにビールとか出されて…。飲むつもりとかなかったから、水に変えてもらって。
それから、どうしてワインバーにいたのか、相談が何なのか聞いたんだ。でも、そんな話もなかなかしてくれなくて…。
俺、帰ろうとしたんだ。
そしたら「帰らないで」って抱きつかれてさ」
雨哥は手をギュッと握り締めた。
手の平に爪が食い込み、痛くて止める。
駄目。信じるんだ。
「何もなかったよ。すぐ帰ったから」と言った後、続けた。
苺美の行動を。