(更新停止)時の狭間
「死ん、だ……?」
自ら口を動かし、出した言葉さえも現実味の無いただの空気の振動に外ならなかった。
「そう。くゆるちゃんは死んだの」
くつくつと喉を鳴らす彼女は終始愉快そう。
普段なら酷く不愉快だろうそれも、今の私には空気のようなモノで。
「私が……死んだ?」
飲み込む事の出来ない事実。
しかし納得せざるを得なかった。
どこまでも不気味に広いこの空間も。
夢で見たあの残像も。
すべて、その一言で片付けられてしまうのだから。
「私、殺されたの……?」
声が震えているのが分かった。
今も鮮明に思い出される、背を押す手の感触。
どん、と強く押されて、体を浮遊感が襲った。
そして迫る闇。
あれが死、だった……?
「あら、意外ね。覚えていたの?」
絶望が、見えた気がした。
つま先から体が冷えて行くのが分かる。
「そんな…っ」