塩対応王子様は、幼馴染だけに甘えたい
駿のことだから、デートに行きたいに決まってるのに。


私、駿に我慢させてるのか。


「うん、わかった。いいよ。」


雑誌の撮影場所はここから離れているらしいから、高校の同級生に見つかることもないしね。


そう思って返事をしたら、駿は


「やったぁ!めっちゃ嬉しい!」


と喜んでくれた。
さっきの教訓から、私を急に抱きしめたりはしてこないが、嬉しそうな顔をしていた。


「じゃあ、明日はうんと可愛くしないとね?」

とこの会話を聞いていた母が言うと、

「いや、可愛くしすぎると他の奴に見せたくなくなるのでやめてください。」

と駿は真面目な顔で答えている。

よく分からない会話をしているなぁと思った私は、目玉焼きに醤油をかけて、頬張っていた。

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