塩対応王子様は、幼馴染だけに甘えたい
駿は私に気づいた瞬間、ぱあっと顔を輝かせて近づいてくる。その姿はまるでご主人様を見つけた犬である。

「凪!!どお?俺格好よくね?」

近くで見ると余計に格好いい。
特に否定する理由もないのでコクリと頷くと、
「俺、毎日ここ通ってメイクしてもらおうかな。」なんて言い始めた。

「いや、それは迷惑。」

「でも、凪に格好いいって思われることほど大事なことはないから。」

ニヒヒと笑う駿に、思わず手を伸ばす。

「大丈夫、駿はどんなときでも、カッコよくないときでも、格好いいよ。」

横の髪を触って、右耳にかける。

うん、こっちの方が格好いい。
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