塩対応王子様は、幼馴染だけに甘えたい
「あ〜!駿くん!久しぶりだね!会いたかったよぉ〜!」

すると、その人は前から駿のことを知っているのか、わざとらしく駿の腕に絡みつく。

駿は完全に外面(塩対応)に入っており、腕だけ引っこ抜いてあとは全無視。
をいつもならするところだが、今回撮影のお相手ともあり、そこまで無下に出来ないらしく、駿はそれなりに対応している。

駿が文句を言わないことを肯定と考えたのか、そのモデルはどんどん話しかけ、ボディタッチをしかけていく。

駿はたまに私のことをちらりと見ては泣きそうな顔になっている。

駿は私と話すと素を曝け出してしまう。だから彼女の前で私と話したくないんだろう。

分かってるよ。

その意味を込めて少しだけ笑ってみると、それを見た駿は驚いた顔をして少しだけ俯き、顔を再び上げた時には、元の顔になっていた。

< 28 / 41 >

この作品をシェア

pagetop