塩対応王子様は、幼馴染だけに甘えたい
「ねぇ、なに凪泣かせてんの?」

「駿くん!」

駿が現れた瞬間、さっきまで泣いていた子が泣き止んで、駿に抱きつく。

が、駿はその子をぺいっと払うと、私の元に駆け寄る。

「凪、なんで泣いてるの?誰に泣かされたの?」

「泣、いてなんか、ないし。」

そう、涙目になっただけで、決して泣いてはいない。
それなのに駿は、まるで私が泣いたかのように目を細める。

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