一夜がつなぐ運命の恋   ~店長の子どもを身ごもりました~
「これ」
私は副店長に気づかれないようにそっと店長の机にウーロン茶を置いた。
「サンキュ」
店長も小声で言う。
私は店長に笑顔を向けてから、その場を離れた。

一通りあいさつを済ませてからは元の席に戻って碧と花音と話をする。
碧はお酒に酔うとすぐに熱く仕事について語りだす癖があって、花音はあきれ顔だ。

私は頃合いを見て、花音に帰宅するように言う。
「みんなには挨拶しておくから、抜けな。」
タイミングを伝えて、抜けやすいようにするのも、”先輩”としての役割と思っている。

「椎名!」
その時、私は副店長に呼ばれて、花音に早く店を出るように合図を送り、副店長の方に向かった。
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