一夜がつなぐ運命の恋   ~店長の子どもを身ごもりました~
「副店長、隣の個室に波多野さん来てますよ?いいんですか?ご挨拶。」
最後の切り札を持っている私。
私の一言に副店長は「おっ!行かないとな。」と瓶ビールを手に席を立った。

波多野とは、副店長の数少ない同期だ。
いつもは営業で日本にとどまらず、世界中をとびまわっている。
その波多野が隣の個室にいるという情報をすでにつかんでいた私。
最後の切り札で店長を助けられるようにと、ひそかに思っていた。

「はー助かった~」
副店長が席を立った瞬間、店長はうなだれる。
「酔っぱらったぁ~もうのめん!」
ろれつがまわっていないのを聞いても店長は限界そうだ。

「お水もらいますね」
私は席を立って、店員からお水をもらうと店長に渡した。
< 109 / 283 >

この作品をシェア

pagetop