一夜がつなぐ運命の恋   ~店長の子どもを身ごもりました~
「ま、半分以上寝てたけどな。」
ふっと笑う店長。
背中越しでもどんな顔を今しているかわかる。

いつものように優しく笑っているのだろう。

「自分から酔いに行くんだもん。守れんわ。」
「すみません」

店長とキスをした後、私は逃げるように宴会場に戻り、自分から強いお酒をのみほした。

それは現実を忘れようとしたわけじゃない。
恥ずかしすぎて、うれしすぎて、舞い上がる気持ちを止めようとした。

「あれはショックだったぞ?ま、無理やりごめんな。」
店長は私をおんぶしたまま、私のマンションの階段をすたすたと登っていく。
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