一夜がつなぐ運命の恋   ~店長の子どもを身ごもりました~
「マスカラ、はげてる」
そう言って見上げた私の顔に手を伸ばして、目の下をそっとなぞる店長。
慌てて私はうつむいて店長になるべくひどい顔を見られないようにする。

「あー眠い」
私の恥じらいを知ってか知らずか、店長は再び私をギュッと抱きしめた。

「今日の予定は?」
「へ?」
強く抱きしめられたまま、店長の声が全身に響く。

夕べの熱を思い出して、ぶわっと顔が熱くなる。

「特に・・・」
今日はお店の定休日だ。
特に予定はない。
だからこそ夕べ飲みすぎてもいいとどこかで、ストッパーを外したようなものだ。
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