一夜がつなぐ運命の恋   ~店長の子どもを身ごもりました~
きっと顔が赤くなるのを見られないように照れ隠しだ。
その大きな背中を見ながら、私は繋いでいないほうの手で自分の頬を冷やす。

「これとこれ、どっちがいいと思う?」
「私はこのカーキ色が好きですけど、グレーも店長らしいです。」
「じゃあ、カーキにする。」
店長は家に必要なキッチン用品だけではなく、掃除用品や収納ケース、浴室道具などあれこれ買っていく。

真剣な顔で商品を選ぶ店長の横顔にどきどきしながらも私も久しぶりの買い物が楽しくて、つい真剣にあれこれ見てしまって、ふと隣を見ると、満足そうに微笑んだ店長と目が合った。

「休憩!」
店長の提案で私たちはショッピングモール内のカフェに入った。
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