一夜がつなぐ運命の恋   ~店長の子どもを身ごもりました~
店長は今日着ていたスーツを肩から掛けるようにして立っていた。
「帰るぞ。」
「はい。」
私も作業がほとんど終わっていて、近くにあったものを片付けてデスクから自分のバックを手に、社員通用口へ向かう。

「送ってく。車なんだ。」
店長はそう言ってすたすたと歩き始める。

「じゃ、お疲れさまでした。」
「お疲れ様でした。」
碧はすぐに自転車で帰宅していった。

「やっぱりタクシー呼びます。」
「だめ。送る。」
店長は遠慮する私を半ば強引に自分の車に乗せると、ハンドルを握った。
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