一夜がつなぐ運命の恋   ~店長の子どもを身ごもりました~
「あぶない。」
「なにがです?味?」
「違う。いろんなこと飛び越えそうになった。あっぶねー」
店長は話したかったことを自己完結したらしく、頷いて咀嚼を始めた。

何を言いたかったかわからないまま首をかしげていると「うますぎ」と、何度も感動している店長の言葉に、私はその言葉の意味を考えるのをやめた。

食事が終わってからもまた二人でキッチンに並んで片づけをする。

私はその間にほかにも店長が食べられるようにきんぴらや煮物を作って冷蔵庫へ入れた。

このために密閉容器を買ってよかったと思いながらいっぱいになった冷蔵庫を見ていると、「デザート食べよう」と店長に呼ばれた。
< 198 / 283 >

この作品をシェア

pagetop