一夜がつなぐ運命の恋   ~店長の子どもを身ごもりました~
『私も早く会いたいです。』

あれこれ文章を打ち込もうとして、できなかった。

ただ心配をかけるだけだ。
私よりも店長の方がもっと大変なのに、私ばかり大変みたいに言えない。
それに心配しても、すぐに来られる距離じゃない。

~♪
その時、メールとは違う着信音に私は慌てて携帯電話の画面をスライドさせた。

『起きてた。早く寝ろよ。』
久しぶりに聞く店長の声。
ただ声を聞いただけでもかなり疲れていることが分かる。
「ソファで寝ちゃって」
『風邪ひくだろ。ちゃんと布団で寝ろ?』
私を心配してくれている店長の口調はどこまでも優しい。
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