一夜がつなぐ運命の恋   ~店長の子どもを身ごもりました~
「森岡も一生懸命さはぴかいちだ。でも、ある程度キャパを越えて行かないと、広がらない。自分の範囲を広げるためには少しは無理したり、悔しい想いをさせないと。その分、達成感を得られるような経験のチャンスも大切だけどな。」
一日で店長はいったいどれだけの情報を集めて、どれだけのことを考えたのだろうか。
まるでずっといたかのように、あれこれわかっている。

「そうですね。」
私が一番課題に感じているところも、図星であてて来る。
「腕の力がしんど」
「ふふっ」
店長が脚立の上で悶えていることに気づいた私は、吹き出して笑う。
「笑うなよー。こっちは本気だぞ?」
「すみません」
「ぐわ~、明日筋肉痛だな。」
「今日じゃないんですね。」

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