一夜がつなぐ運命の恋   ~店長の子どもを身ごもりました~
店長にはまわりの人を巻き込む不思議な力がある。

店長一人でこんなにも雰囲気が変わるものかと思い知りながら、全員指示された業務を閉店後に始めた。

「店長」
「ん?」
私は店長を呼び止める。
「これ、ありがとうございました。」
一日借りていた店長の腕時計を外して店長に渡す。
「おう。忘れてた。これ。」
店長もポケットから私の時計を出した。
「ありがとうな」
「それは私の方です。不便じゃなかったですか?」
「あぁ。むしろ、緊張してたからお守りになった。」
「緊張?」
「あぁ。」
店長がぐいっと私に近づいて、耳元でささやく。
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