一夜がつなぐ運命の恋   ~店長の子どもを身ごもりました~
「実は昨日からどきどきしてて、寝不足なくらいなんだ。」
ささやかれた声に、全身からこみ上げる熱いものを感じながら店長を見る。
息がかかるくらいの距離にどきどきしない女性はいないのではないかと思う。

「内緒だぞ?」
そう言って人差し指を自分の口元にあてる店長。
この人は一体どれだけいろいろな表情を持っているのだろうかと不思議になるくらい、店長はいろいろな表情をする。

その分、くぎ付けになってしまう私。
店長から目が離せない。

「はい」
秘密を共有するだけでなんだか特別になれたような錯覚をしてしまいそうだ。
店長は私が返した腕時計を、すぐに自分の腕にはめた。

私も、店長から戻ってきた腕時計を自分の腕にはめる。
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