一夜がつなぐ運命の恋 ～店長の子どもを身ごもりました～

「誰？彼氏？お姉さん男いんのかよー」
思わず私は携帯電話のマイクの所を慌てて手でふさぐ。
「じゃあ、お疲れさまでした。」
早く電話を切ってしまおうと早口に言うと、電話の向こうから聞いたことのない店長の鋭い声が聞こえて来た。
『今、どの辺？』
あまりの低い声に、通話を切ったらこれからの関係が悪化しそうだと瞬時に判断した私。
「店舗の前の大通りです。」
『電話、切るなよ。そのままそこにいろ。』
低すぎる声でそう言った店長。
電話の向こうの音がやけに騒がしくなる。
私はあっけにとられながらも、店長がこれから私の方に来ることを察して、焦る。

叱られる。
絶対に叱られる。