一夜がつなぐ運命の恋 ～店長の子どもを身ごもりました～

店長は窓越しに私を見つけると、再び走ってコンビニに向かってくる。
そして、店内に入ると「麻貴っ！」と私の元へ駆け寄った。

「大丈夫か？なんもされてない？」
さっきまでの怖いくらいの低い声はどこへやら・・・汗を流しながら駆け寄ってきた店長の声はどこまでも優しい。
「けがは？怖かっただろ？」
膝に手をつきながら私を確認する店長に、私は視界が少し揺れる。

泣きそう。

誰かに優しくされたからだろうか。
どうして泣きそうになってるのよと、自分に突っ込みを入れて何とか泣かないように保つ。

「不安だったな、ごめんな、遅くなって。」
店長は泣きそうな私を知ってか知らずか、私の頭に手をのせて顔を覗き込む。