【コミカライズ】うっかり助けた魔女の恩返しで、好きな人の元に自動で向かう魔法を靴にかけられ、彼に触れると発動する淫紋を刻まれた私に起こった椿事。
 魔女のお節介が過ぎて、長年の恋を心に秘めていたブランにとっては最悪な恩返しとなってしまった。もしかしたら、ずっとずっと好きだったロルフへの片想いの恋が、粉々に砕け散ってしまうきっかけになってしまうかもしれない。

(そんなの、やだ。どうしたら良いの……)

 これから起こるだろう出来事が恐ろしすぎて、じわっと涙目になったとしても、魔法をかけられた靴が勝手に動くのを止めてくれる訳もない。

 現在進行形で歩いているのだから、足を止めることの出来ないブランには靴を脱ぐことすらも叶わない。

 全く経験のない処女なのに、彼に触れれば強制発情してしまう淫紋をつけたままで、告白もしていない幼い頃から大好きな人と鉢合わせ。

(さっ……最悪ー!! ロルフ、逃げてー!! 私から!! 早急に!!)

 焦ったところで、足がスタスタと動くのは止まらない。

 まさか、ブランがそんな非常事態になっていることなども知る由もなく、本日のクエストを終え、冒険ギルトに成果報告のため訪れているはずのロルフが居る場所に向かうしかない。
< 2 / 28 >

この作品をシェア

pagetop